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豆腐クリームをつくる。-豆乳と酸の反応

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おみせでは卵乳製品なしのおかしを作っています。クリームも豆腐から。豆腐クリームは、マクロビとかではよく使われていて、甘みを加えて完成のものもあるけれど、ゆるすぎず少しぎゅっとなる方法伝えます。

ここが化学的で面白いから話すね。原理は、牛乳にレモンを加えて作るリコッタチーズの作り方と一緒。そう、乳製品に酸!です。なぜ酸を加えるとギュッとするのか、ちょっと詳しく書きます。

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牛乳や豆乳が白い理由は、たくさんの乳脂肪やたんぱく質の集合体(ともに丸くって大きい)が液体中にふよふよ~と分散しているから。ちなみにしっかり溶けたものって、透明なんです。よくかき混ぜた砂糖水とか。(ふよふよ~と分散しているとどうして人には白く見えるか、は光の散乱の話なのでちょとここでは省略しますね)

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この、ふよふよ~と分散した状態、ほかに何があるかといったら、たとえば「どろみず」です(たくさん他にもあるけど!分かりやすいので)。石ころや土や砂、色々なものが水の中でふよふよ~としていて、茶色、に見えますね。どろみずは、粒子の細かさにもよりますが1~2日静置すると、土などが下に落ち、上澄みが透明に。

牛乳や豆乳は冷蔵庫の中に入れておいたら、上の色が透明っぽく、下に白いのがたくさん溜まってしまた、、!!という事態はないですね。さて、どろみずと乳製品は何が違うか。です。

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\\\\\くっつきやすさ/////

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です。実は、このふよふよたちは、磁石みたいに+やーを帯びていて、それでくっついたり反発したりします。泥は色々なものの集合体で+やーも様々。ぴとっとくっついて沈みます。(大きすぎて沈むものも)

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一方、乳脂肪やたんぱく質は、表面全体がー(マイナス)を帯びており、近づくとポイーン!と反発します。

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そう、この、互いにくっつかず、液体の中でたくさんの乳脂肪やたんぱく質たちのふよふよした状態が続くので、時間が経っても牛乳や豆乳は白いままなんですね。(分散性が高い、といいます)

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さて。ここからが本題。なぜ、酸でギュッとするか。

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乳脂肪やたんぱく質がー(マイナス)でポイーン!するなら、+(プラス)を入れてみよう~~!

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という作戦です。酸を介して、乳脂肪やたんぱく質どうしがくっついて沈殿します。

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(絵がすごいことなっちゃった)。温めた牛乳にレモンでリコッタチーズはこの原理です。ちなみに最適なpHは4.5くらいみたい。(乳脂肪やたんぱく質の表面に電荷が帯びなくなるpH。等電点と言います)。お酢のpHは3~4。pH4.5は体感的には、少し酸っぱいなーって感じるくらいなのかな。

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豆腐クリームから牛乳や豆乳の話になりましたが、豆腐も同じ原理でできています。

豆腐のたんぱく質がー(マイナス)を帯びていて、そこににがり(金属イオンで+を帯びている)を加えることでゆるく固めます。

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豆腐クリームを作るとき、ミキサーでががっと撹拌しますね。そうすると緩くくっつき合っていたものがばらばらに。(だから一度崩すと元の豆腐のかたちには戻れない)

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そこで、豆腐クリームにも酸の登場です。このバラバラになったものたちを少しゆるくくっつけあう役目だなぁと思います。実際に入れるとやっぱりギュッとなりやすい。そして、酸味が爽やかでよいですよ◎

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普段作っている豆腐クリームの作りかた。

1. 鍋に絹ごし豆腐を入れてかぶるほどの水を入れて火にかける。

2. 沸騰したら10分加熱

3.ざるにとって、冷めるまで放置。(これで水抜き完了。重石を置くやり方もあるけど、これだと早くて、殺菌効果もあり、日持ちしやすい)

4. ボウルに豆腐、砂糖、酢(りんご酢や白ワインビネガーだと香り◎)を入れて、ミキサーでががーっと。しっかりめに全体を撹拌した方がよいです。酸が全体に行きわたるのかな。後から固まりやすい。砂糖をメープルシロップにしたり、バニラエッセンスを加えると風味豊かに。

出来上がり~。

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酢が入ると、ちょっとチーズケーキっぽさが出るのも面白い。これに寒天を入れて、下にタルト生地敷いて焼いたもの、前に作ったので載せるね。

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いろいろ試してみてくださいませ~!